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なまはげ通信

2021/07/15

落合博満さん NHK「クローズアップ現代+」で大谷翔平を語る

秋工同窓会
 各 位
 秋工ラクビー後援会の船木です。

「 落合博満さん NHK「クローズアップ現代+」で大谷翔平を語る 」 を紹介させていただきます。

三冠王3回(日本人でただ一人)の元中日監督の落合博満さん(67・秋工野球部OB)が“オレ流”解説で ホームラン量産の秘密を解き明かす。6月15日、NHK「クローズアップ現代+」に出演しました。

出演者
 落合博満さん (中日ドラゴンズ元監督、秋工野球部OB)
 井上 裕貴 (アナウンサー) 、 保里 小百合 (アナウンサー)

エンゼルス・大谷翔平の打撃に対して「技術というよりも対応力ですね」と評価した。

番組は「大谷翔平 驚異の進化の舞台裏」と題された。 大谷が外角高めをライトスタンドに運んだ場面を見て「アッパーで行きかけてるんだけど 途中で軌道修正して。 偶然っていうのかな」と、普通だったら空振りかファウルになるとした。 その上で「どうやって自分の中で来たボールに瞬時に対応能力を発揮できるか 確率が上がってくるということ。 その最たるもの」と対応力によりホームランにしたと評した。 昨季と今季では右肩が中に入らないようになり「ベース板の上のストライクゾーンを見られるようになった」と分析した。 アッパースイングについては「われわれの時代ならすぐに直された」と解説。 その理由について、相当なパワーが必要になるためとした。 ただ、自分で模索した中で見つけたのだと理解も示した。


〇"二刀流"大谷翔平 驚異の進化 "オレ流"落合博満さん 生出演
井上:まず、バッティングを見ていきましょう。ことしの大谷選手の成績、いずれもリーグ上位の結果を残しています。 中でも際立つのが、ホームランと長打率です。共にリーグ3位と、大リーグのトップクラスのパワーヒッターに成長しています。
保里:落合さん、長打をここまで打てるようになった、これはどうしてだと見ていますか。
落合さん:やはり体の状態がいいということが、まず大前提だと思います。
保里:プレーを見ていても、そのように感じられますか。
落合さん:楽しそうにやってますもんね。イヤイヤやっているわけじゃないし。そこがいちばんなのではないかと思います。
井上:技術面を見ていきます。落合さん、バッティングフォームですが、去年とことしだと、どこがいちばん変わったと思いますか。
落合さん:分かりやすく言うと、バットを持ってバックスイングに入るとき、去年までは右の肩が中に入ってたんです。
井上:内側に入ると?
落合さん:はい。内側に入ると、当然ストライク、ベース上の角度が変わります。入ったら近いと思って、 打ちに行ったら遠かった、という状況だと思います。ことしの場合は、どっちかというと右の肩があまり中に入らなくなった。 だから、ストライクゾーンをベース板の上のストライクとして見ることができるようになってきたのでは ないのかなと思います。
井上:スイング面ではどうでしょう。アッパースイングという話もありましたが。
落合さん:われわれの時代だったら、一番先に直されるところです。
井上:それはやってはいけないと。それはどういう理由なのでしょうか。
落合さん:山の上から川が下に流れるように、だんだん下に来るにしたがって速くなる。スイングも一緒です。 上から下へ振りおろすのは、そんなに力は要らないのでスピードが増してくるのです。ところが、 下から上にしゃくり上げるというのは、相当なパワーがいるということです。去年までも、 どちらかというと下からは出ているんです。出ているのだけれども、VTRにあったように器具をつけて計測して、 自分に合ったスイングは何なのかを自分で模索して探り当てたというのが、 このアッパースイングにつながっているのだろうと思います。
井上:落合さん、冒頭に筋力面のアップの話もされていましたが、重心に力を入れられるようになった。 こういうところも、そこにつながってくるのでしょうか。
落合さん:パワーアップするということは、筋力だけ、上半身だけではありませんから、当然、体バランス的に全部強くなってくる。 強いところと弱いところがあると、必然的に弱いところに故障が出てきてしまうので、 そういう意味ではバランスよく体を作り上げたんだろうと思います。
井上:下から力をバッティングにつなげているということですね。あと落合さん、ホームランで注目されている点、 1つ挙げていただいていまして、外角の高めの球をライトスタンドのほうに持っていったと。
落合さん:これはアッパーで行きかけているんです。行きかけているけれども、途中で軌道修正して。 だからこれは何というか、偶然というのかな。
井上:普通はホームランになるようなものじゃないんですよね。
落合さん:普通だったらファウルか、空振りするような高さ。この軌道からいけばね。手が、 途中から上へ上がってきてますよね。これが軌道修正したということです。
保里:一瞬の間に。
井上:規格外なんですね。
落合さん:普通、バットスイングってこういうふうにするでしょう。これが自然のスイングだとすると、 このスイングできる回数はそんなにないのです。 だから、どうやって自分の中で、来たボールに対して瞬時に対応能力を発揮できるかというのが、 確率が上がってくるということなので。その最たるものだと思います。
井上:まさに、パワーと技術面が備わってきたということですね。対応力といいますか。
落合さん:対応力。技術よりも対応力ですね。
保里:そこを実現したのが、あのホームラン。一方で、今シーズン"二刀流"を全面解禁させたわけですが、 マッドン監督はこのようにおっしゃっています。「大谷選手を登板させるかどうかの判断は、 本人に意思を確認する」と、本人が出るといえば、それを尊重するんだとおっしゃっているのですが、 この起用法、落合さんから見るといかがでしょうか。
落合さん:当然だと思います。本人は二刀流ということを目指してアメリカに渡ったわけですから 。バッターだけでもだめ、ピッチャーだけでもだめなのです。両方をやって、初めて自分の思い描いている 野球スタイルというものを確立できるので。そういう意味では出るか出ないかと言われたら、 出ないという選手は1人もいないと思います。
保里:できる限り出たいと、本人もおっしゃっていましたが。
落合さん:よっぽど周りから見て、これはけがしてる、どこか故障があるというときだけはストップをかけるでしょうけれども。 それ以外だったら、本人もいくら状態が悪くても、いや大丈夫です、行きます、というのが選手の宿命です。 本能です、これは。
井上:ピッチャーとしての大谷さんですが、防御率は2点台と好成績を残しています、奪三振もそうですけれども。 ただ気になるのが、長いシーズン打つのと投げる、ともに高いレベルをどこまで維持できるのだろうかという点です。 開幕から66試合で、欠場したのは僅か2試合。


〇ジョー・マッドン監督
「今シーズンは、"ショウヘイルール"を作りたくない。イニング数も投球数も登板回数も打席に立つ日も、すべて決めない」 二刀流による体の負担を考慮し、出場試合数などを制限していた、通称「ショウヘイルール」の撤廃を決めたのです。 これまでは、登板日の前後に必ず休みを取るという制限を課していました。しかし、 ことしはその制限をなくそうというのです。 その背景には、1試合でも多く出場したいという大谷選手自身の強い意向があったと、チームメートは明かします。

〇大谷翔平選手
「使う 使わない の方針もあると思いますけど、できるかぎり(試合に)出たいし、打ちたい、投げたいというのは常に思っている」

〇“二刀流”の生みの親である日本ハム・栗山英樹監督
大リーグに挑戦して、4年目の大谷選手。これまでは、たび重なるけがの影響で、 思うようなシーズンが送れていませんでした。 1年目には右ひじのじん帯を損傷し、手術を経験。2年目には、左ひざの手術も受けました。 その後、二刀流に耐えられる肉体にするため、地道な筋力トレーニングを重ねてきたのです。

栗山英樹監督:ファイターズに入ったときから、体の面で、表に出ないことも含め、たくさんいろんなことがありました。 しかし、去年のオフに翔平といろいろ話したのですが、ことしは初めて、全力で勝負のできるシーズンになると感じました。 その結果がどうこうではなく、まずは全力で打って投げてほしいと思っています。

―表情を見ていても大谷選手は生き生きしているように感じますが?
 
 栗山英樹監督:やりたいプレーができるのは、選手にとってすごくうれしいことだと思います。 翔平は自分のやりたい野球ができるのをずっと望んでいたと思うので、本当にうれしそうだなあと思います。

―起用法を見てみると、日本ハム時代と異なり、ことしはほとんど休みがありません。どのように思いますか?
 栗山英樹監督:おそらく起用法は翔平が全部決めて、マッドン監督に納得してもらうという形だと思います。 翔平が体のことを考えながら自分で決めていくということは、とても重要なことだと思います。 そしてそれを認めてあげるマッドン監督は心が広く、素晴らしいと感じます。
 いま翔平は自分の感覚の中でできると思ってやっています。それに対して「試合に出すぎだ」とか いろんなことが言われていますし、僕もいろんな考えはありますけれど、それはどうでもよくて、 本人がやりたいことをやってほしいなと思っています。

日本ハム時代、彼は野球界の宝だったので、とにかく壊さないようにという思いしかなかったですし、 怖かったです。だからなるべく丁寧にいくというふうに、自分で決めて やってました。

翔平とは、大丈夫なのかどうかをいつも確認していましたし、「大丈夫」という言葉でも、本当に大丈夫なのか、 ちょっと何か感じている「大丈夫」なのかというのを、表情や言葉から読み取る作業を常にしていました。

ことしはかなり高いレベルまでいっていると感じていますが、それでも上限といいますか、 ここは止めたほうがいいというものがあると思います。生き物なので、きょうまで大丈夫だけれど、 明日はだめということが起こり得ます。それを見極めていくのが周りの仕事であると僕は思っていました。

ただ、こんなスケジュールで試合に出場した選手はいないわけですから、常に新しいものを作っていくことになると思います。 このスケジュールよりもっとできる可能性もあります。ですから、先入観なく翔平を見て、 全てを考えながらいけるかどうかを判断することになるのではないでしょうか。

マッドン監督は、僕も大好きで憧れていましたし、どういうふうに翔平を使うのだろうというのはすごく楽しみで、 これからも注目していきます。

―今後、大谷選手は、投打でどれくらいの成績を残せると思いますか?
 栗山英樹監督:僕が思ってる数字はものすごく高くて、世界で一番高い数字をイメージしています。 ここまできたので、けがなく、好きな野球を思いっきりやってほしいし、我々としては、 世界一の選手になれると信じて早めに送り出したつもりだったので、その道をしっかり歩んでほしいと思います。


〇落合博満紹介:(おちあい ひろみつ、1953年12月9日 - )
・秋田県南秋田郡若美町(現:男鹿市)出身、秋田工業高校野球部OB
・元プロ野球選手(内野手、右投右打)・監督、野球解説者。血液型はO型。
・選手時代は1979年から1998年にかけてロッテオリオンズ・中日ドラゴンズ・読売ジャイアンツ(巨人)・ 日本ハムファイターズの計4球団に在籍した。
・ロッテ時代には史上4人目かつ日本プロ野球史上唯一となる3度の三冠王を達成した。
・20世紀最後・昭和最後の三冠王達成者でもある。
・2004年から2011年まで中日の監督を務め、全ての年でAクラス入りを果たし、 4度のリーグ優勝・1度の日本シリーズ優勝を達成している。
・2013年シーズンオフから2017年1月までは中日のゼネラルマネージャーを務めた。

〇大谷翔平紹介:(おおたに しょうへい、1994年7月5日 - )
・岩手県奥州市出身のプロ野球選手。右投左打。MLBのロサンゼルス・エンゼルス所属。 愛称はショータイム(SHOWTIME、SHO TIME)。
・高校3年時に当時としては高校生最速となる160km/hを計測。
・2012年のNPBドラフト1位で北海道日本ハムファイターズから指名され、2013年の入団以降、 投手と打者を両立する「二刀流」の選手として試合に出場した。
・2014年には11勝、10本塁打でNPB史上初となる2桁勝利・2桁本塁打を達成。
・2016年には、NPB史上初となる投手と指名打者の両部門でベストナインのダブル受賞に加えリーグMVPに選出された。
・投手としての球速165km/hは日本人最速記録とNPB最速記録である。
・2017年オフにポスティングシステムでMLBのロサンゼルス・エンゼルスに移籍。
・2018年から投打にわたって活動し、同年はアジア人史上4人目(日本人史上4人目)の新人王を受賞した。

〇日本ハム・栗山英樹監督紹介:(くりやま ひでき、1961年4月26日 - )
・東京都小平市出身の元プロ野球選手(外野手、右投両打)、プロ野球日本ハムファイターズ監督。
・マネジメントは有限会社オフィスマリーン。
・選手引退から監督就任までの間は、野球解説者 スポーツジャーナリスト。
・白鷗大学教授としても活動していた。2012年から北海道日本ハムファイターズの監督を務める。
・日本のプロ野球監督で、国立大学出身(小、中、高校の教員免許有)・大学教授の経歴を持つ人物はともに史上初めてである。

外部リンク:
  ●【MLB】一流メジャーリーガーたちが「信じられない」 大谷翔平、球宴初“二刀流”に称賛の嵐:
  ●落合博満 画像 :
  ●大谷翔平 画像 :
  ●栗山英樹 画像 :


秋工同窓生の皆様  落合博満さん (中日ドラゴンズ元監督、秋工野球部OB)、大谷翔平選手、栗山英樹監督の応援よろしくお願いいたします。


以上
 

3度の三冠王を達成 落合博満さん

「大谷翔平の二刀流は神業だ」

栗山英樹 監督

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